インド映画を巡る冒険(仮)

以前メインのブログに書いたインド映画記事のアーカイヴです。当時書いたまま直さず転載しておりますので、誤記等ありましてもご容赦ください。

シッダールト・マルホトラ、ジャクリーン・フェルナンデス主演のスパイ・アクション映画『A Gentleman: Sundwe, Sushel, Risky』

■A Gentleman: Sundwe, Sushel, Risky (監督:クリシュナDK、ラージ・ニディモル 2017年インド映画)

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インド・オブ・ザ・デッド』(2013)のクリシュナDK/ラージ・ニディモル監督、シッダールト・マルホトラ、ジャクリーン・フェルナンデス、スニル・シェッティ主演のスパイ・アクション映画です。なんとこの作品、当初は2014年の映画『Bang Bang!』の続編として製作されていたという話もあるみたいですが、実際はスタンドアロン作品です。でも『Bang Bang!』を頭に置いときながら観るとまた別の楽しみ方が出来ますよ。

物語はマイアミで堅実な人生を歩みたいと願う会社員ゴウラヴ(シッダールト・マルホトラ)と、彼の恋人で、そんな彼にちょっと物足りないものを感じている女性カヴィヤ(ジャクリーン・フェルナンデス)との毎日がまず描かれます。それと並行して描かれるのはムンバイを中心に非合法活動を続ける秘密スパイ、リシ(シッダールト・マルホトラ)の物語です。彼はスパイ稼業から足を洗いたいことを責任者ビジェイ大佐(スニル・シェッティ)に告げ、ビジェイ大佐は最後の任務を彼に言い渡します。しかしこれはリシを危機に陥れる大きな陰謀でした。

この物語を最初に牽引してゆくのはゴウラヴとリシ、二人の男が全く同じ顔を持っているということです。そう、"同じ顔を持つ二人の人物が登場する"というインド映画ではお馴染みの「ダブルロール物」の作品なんですね。今作では平凡な男であるゴウラヴと、危険な世界に生きるスパイ・リシ、性格も住む世界も全く違うこの二人の男がどう混じり合うことになるのか?というのが最大のポイントとなります。そしてそれはアッ!と驚く形で描かれることになりますが、これ以上のことはもう書けません!

やはり作品の魅力の中心となるのはシッダールト・マルホトラ、ジャクリーン・フェルナンデス二人の爽やかな存在感にあるでしょう。いやーいい男いい女のカップルでどちらも目の保養になります。シッダールトはそれぞれ硬軟別々の顔を持つ男を、ジャクリーンはとんでもない事件に巻き込まれながら体当たりで対処してゆく女性を瑞々しく演じます。

もちろんスパイアクションとしての魅力も盛り沢山です。陰謀!追跡!逃走!銃撃!カーチェイス!と飽きさせません。定番通りといえばそれまでですががんばってたんじゃないでしょうか。さらにその中にコメディ要素も盛り込まれ楽しませてくれます。アクションとコメディのバランスはもっと整理が必要だったとは思いますが、気楽に観るならこのぐらいでいいのかも。全体的には若干淡白というか「種明かし」以上の驚きが物語に存在していないという難があるし、クライマックスももっと盛り上げてもよかったかなとは思いますが、ライトな感覚で楽しめるアクションとしてはまずまずの作りだったんじゃないでしょうか。 

 

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