インド/タミルのホラー・コメディ『デモンテの館 / DEMONTE COLONY』を観た
デモンテの館 / DEMONTE COLONY (監督: R・アジャイ・ガーナームットゥ)
<あらすじ>ラーガヴァン、スリニ、サジット、ヴィマルの4人の仲間は、デモンテ集落にある不気味な廃墟に肝だめしに向かう。その後、かつてその廃墟の主であったポルトガル人の資産家・デモンテ一家に起きた惨劇と、それにまつわるあるネックレスの物語を知ったラーガヴァンは、3人にそのストーリーを語りつつ、そっと告白する。あの廃墟で美しいネックレスを見つけた彼は、売ってカネにするためにそれを持ち帰っていたのだ。その時、誰かが部屋の扉をノックする音がー。出演: アルルニディ、アビシェーク・ジョーセフ・ジョージ、サナント、ラメーシュ・ティラク
(2015/ タミル語 / 113分)
またもやホラー!と思いつつ観始めると、冒頭は結構コミカルです。コミカルどころか陽気に歌って踊ってます!大丈夫なのかこのホラー!? と心配させといてその後じわじわとホラーっぽく責めて来ます。
主人公たちはとある幽霊屋敷に肝試しに入るんですが、ずっとこの幽霊屋敷で物語が展開するのか?と思わせといてそこはあっさり退散するんですね。本当の恐怖はその後主人公たちが部屋でダラダラし始めるあたりから始まります。彼らは悪霊に部屋に閉じ込められ、あらゆる恐怖を体験させられるのですよ。
この密室となった部屋で悪霊からあの手この手の嫌がらせを受ける、という展開はホラー映画『TATARI』『死霊のはらわた』を彷彿させていました。ゴア表現はまるでないんですが、低予算ながらあれこれ工夫してショッカーを生み出そうとしている点ではやはり実に『死霊のはらわた』ぽいんですよね。
面白かったのは人体発火のシーンで、普通なら「超常的な力が働いた」だけで済ますところを、妙に筋道立ててなぜ発火したかを見せるんですよ。勢いだけで作っているのかと思ったら変な所で理屈っぽいんですよね。それとホラーマニアの主人公たちがジャパニーズホラー作品『呪怨』をメッチャ推していて、そこもなんだか可笑しかった。