インド映画を巡る冒険(仮)

以前メインのブログに書いたインド映画記事のアーカイヴです。当時書いたまま直さず転載しておりますので、誤記等ありましてもご容赦ください。

インド/タミルのSF映画『今日・昨日・明日/ INDRU NETRU NAALAI 』を観た

今日・昨日・明日/ INDRU NETRU NAALAI (監督:R・ラヴィ・クマール)

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<あらすじ>恋人との交際がうまくいかず、意気消沈する無職の青年イランゴーは、占い師の親友プリヴェッティに慰められていた。そんな2人の目の前に、ある日忽然と姿を現した青く輝く謎の機械。それは何と未来の科学者が2015年に送り込んだタイムマシーン。2人はタイムトラベルを使ったある商売を思いつき、それが大成功する。ところが彼らの「過去」での行動が、世間を恐怖に陥れている極悪人・コランデヴェールにかかわる、ある大問題を引き起こしてしまうことになる。出演:ヴィシュヌ・ヴィシャール、ミア・ジョージ、カルナーカラン
(2015年/ タミル語 / 139分)

インド映画ってびっくりするほどSF映画が少なくてちょっと不満だったんですが、この映画がSF作品だと知って、一人のSFファンとしては相当楽しみにしていたんですね。

物語はタイムマシンを巡って繰り広げられるドタバタとアクションが中心になります。ひょんなことからタイムマシンを発見してしまった主人公と友人ですが、その超科学の産物でなにをやるかと思ったら単なるお金儲け!せっかく過去にガンジー見に行ったんだからついでに暗殺阻止してやれよ主人公!

とはいえ、そんなみみっちさが可笑しさを生む物語なんです。まあねー、オレだってタイムマシンがあったら楽なお金儲けに走りますよ!しかしそんなコメディ要素たっぷりの物語が後半、「過去を変えてしまった」ことによるとんでもない事件へと発展してゆき、緊迫感漂うサスペンスアクションへと様変わりするんですね。

時間旅行テーマにつきものである「歴史改編のツケ」は、ここでは実にシンプルに分かり易く描かれており、ある意味相当敷居が低く作られています。この辺が自分には物足りなかったんですが、その分ロマンスや大悪党との戦いなどインド映画らしい要素がたっぷりつまった作品になっており、十分満足できました。