インド映画を巡る冒険(仮)

以前メインのブログに書いたインド映画記事のアーカイヴです。当時書いたまま直さず転載しておりますので、誤記等あったらご容赦ください。

エスコート・ボーイになったらウハウハだったッ!?〜映画『Desi Boyz』

■Desi Boyz (監督:ローヒット・ダーワン 2011年インド映画)


不況で職を失った二人の男が切羽詰ってエスコート・ボーイ(出張ホスト)を始めたら、引く手あまたでウハウハ状態だったが!?という2011年公開のコメディ作品です。主演はアクシャイ・クマールとジョン・エイブラハム、この二人のいかがわしいホストぶりがなにしろ見所です。ヒロインにディーピカー・パードゥコーンというのも嬉しいですね。また、サンジャイ・ダットとアヌパム・ケールも出演し、とてもいい味を出してます。

《物語》2009年、世界大不況到来。ロンドンで共同生活を営む親友同士、ジェリー(アクシャイ・クマール)とニック(ジョン・エイブラハム)にもその波は襲い、二人は職を失ってしまう。再就職のあても無く、ジェリーは面倒を見ている甥の親権を失いそうになり、ニックは交際相手であるラディカー(ディーピカー・パードゥコーン)との結婚に危険信号が点灯する。そんな時見つけたのが男性エスコート・クラブ「デーシー・ボーイズ」。怪しげなオーナー(サンジャイ・ダット)の強力プッシュでジェリーはその仕事を始め、嫌がっていたニックも結局参加して、いつしか二人は売れっ子ホストに!?しかし、そんな仕事をしていることがばれ、再び二人の立場は危うくなってしまう!?

不景気のあおりを食って困窮した男たちが、お金の為だとばかりに性産業に勤め口を見つけちゃう、というお話は1997年公開のイギリス映画『フル・モンティ』を思い出しますね。あの作品では鉄鋼不況により職を失った6人の男たちが意を決して男性ストリッパーになるんですが、それが女性客に大受けしちゃう!という物語でした。この『Desi Boyz』では主演の二人がエスコート・ボーイになっちゃうんですが、やってることはぶっちゃけ男娼なんですね。映画では客の女性たちから「うふ〜ん素敵な夜だったわ」とか言われるシーンがあるだけですけれども、これってかな〜りキワドイっちゃあキワドイんですよね。しかしそれを嫌らしくなくさらっと描いているのも好感が持てました。

そしてそんな仕事にえいやあ!とばかりに飛び込み、あまつさえ人気者になっちゃうアクシャイとジョン・エイブラハムの開き直りっぷりが痛快なんですよ。そんな彼らがこれみよがしにセクシー全開で踊りまくるダンス・シーンは派手派手かつグラマラスでとても楽しく、この作品のハイライトとなっています。このダンス・シーン自体が彼らのキワドイお仕事の暗喩となっているのでしょう。店主を演じるサンジャイ・ダットは、もともとサンジャイ自身が怪しげなのでこれはもうずっぱまりの配役、そんなに出番は多くないにもかかわらず目立っておりました。

にもかかわらずこの物語、後半がダメなんです。そんな仕事をしていることを知られた二人の男が、エスコート・クラブを辞め、失った信頼を取り戻そうと頑張っちゃうんです。ジェリーは大学教育をやり直し始め、ニックは怒り心頭のラディカーをもう一度振り向かせるため誠心誠意説得をします。ただこの展開、生真面目なばかりでたいして面白くないんですね。つまりこの映画、男性エスコート・クラブ「デーシー・ボーイズ」に二人が勤めているのが前半だけで、後半そこを辞めちゃったばかりに尻すぼみになっちゃうんですよ。ディーピカーも結局後半つんつんしているだけで上手く生かし切れていなかったのが残念だったなあ。