インド映画を巡る冒険(仮)

以前メインのブログに書いたインド映画記事のアーカイヴです。当時書いたまま直さず転載しておりますので、誤記等ありましてもご容赦ください。

娘の復讐の為に立ち上がった父のスーパーバイオレンス映画『Bhoomi』

■Bhoomi (監督:オムング・クマール 2017年インド映画)

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結婚式のその前夜にならず者たちにレイプされた娘の恥辱を晴らす為、彼女の父親が復讐に立ち上がる!という生々しいテーマのサスペンス映画。

お話のほうは「愛情深い父娘の情景→事件→ままならぬ裁判→さらなる嫌がらせ→ついにブチ切れるお父さん→血煙大噴出!」という予想から一歩も外れない展開だが、それでも【復讐譚】というのは大いに盛り上がるのは確かで、非常にカタルシスのある作品だった。

だいたい父親役がサンジャイ・ダットというのがまず卑怯で、こんなオヤジ怒らせたらクライマックスに惨劇しか待っていないのは火を見るより明らかじゃないか。このサンジャイさんが憤怒の形相でならず者たちを追いつめる様子はもはやジェイソンやブギーマンもかくやと思わせるホラー展開で、しかも観ているこちら側もすっかり感情移入しておりブギーマン・サンジャイに「殺れ殺れいてこましたれや!!」と声援まで送ってしまうほど。

特にクライマックスの異様にインド的な盛り上がり方はある種ヤバイほどだった。一方被害を受けた娘役のアディティ・ラーオ・ハイダリーがまた実に可憐で可愛らしくて、「守ってやるぞう!このオレがぜってー守ってやるからな!」とサンジャイ親父に成り替わってすっかり熱くなれる事必至。いやファンになっちゃいそう。

この作品は同じくレイプ事件を扱い母親側が復讐に立ち上がるシュリーデーヴィー主演の映画『Mom』(2017)と対になっているように思えるので、気になった方はこちらの作品も観てみるといいかも。

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